居場所をください。



「で、何味にする?」


トイレを済ませ、長曽我部さんのコーヒーと

私のお茶を買った後に来たソフトクリーム屋さん。


「たまには自分で買います。」


なんだかお金使わせてばっかりだしね。


「店のやつと目を合わせたらバレるかもだろ。

おとなしく待ってろ。で、どれ。」


「……………いちご。」


じゃっかん怖くなった長曽我部さんに負け

結局長曽我部さんが買いに行った。


あの人は私のお財布を受けとることもないし

あとから私が渡すお金を受けとることもしないから

結局また買ってもらう。


私が長曽我部さんに恩返しすること

いつかはできるのかな……


「ほらよ。」


「ありがとう。」


「俺の腕掴んで下向いて歩けよ。」


「はーい。」


さっき顔あげて歩いてたら

数人にばれてしまったのだ。


それから私はずっとハットで顔を隠すように

下を向いて歩いている。



< 1,817 / 4,523 >

この作品をシェア

pagetop