居場所をください。
「で、何味にする?」
トイレを済ませ、長曽我部さんのコーヒーと
私のお茶を買った後に来たソフトクリーム屋さん。
「たまには自分で買います。」
なんだかお金使わせてばっかりだしね。
「店のやつと目を合わせたらバレるかもだろ。
おとなしく待ってろ。で、どれ。」
「……………いちご。」
じゃっかん怖くなった長曽我部さんに負け
結局長曽我部さんが買いに行った。
あの人は私のお財布を受けとることもないし
あとから私が渡すお金を受けとることもしないから
結局また買ってもらう。
私が長曽我部さんに恩返しすること
いつかはできるのかな……
「ほらよ。」
「ありがとう。」
「俺の腕掴んで下向いて歩けよ。」
「はーい。」
さっき顔あげて歩いてたら
数人にばれてしまったのだ。
それから私はずっとハットで顔を隠すように
下を向いて歩いている。