居場所をください。
「車ついた。」
長曽我部さんがそういうと
私はさっさと車に乗ろうとした。
「待った、後ろ乗れ。
もうこっからどこもとまらずに
貴也んち行くから。」
「はーい。」
私はおとなしく一番後ろに乗った。
仕事の時でも乗らない、一番後ろ。
長曽我部さんと遠くて話す距離じゃない。
私はハットを置いて、
置いてあった毛布にくるまった。
後ろは前より寒い。
それにしても……
「このソフトクリーム
めっちゃ美味しい。」
前に貴也と食べた時と同じお店。
前のバニラも美味しかったけど
いちごもすっごく美味しい。
「よかったな。」
これで280円なら安いもんだ。