居場所をください。
今年も初詣にいきます。
それから一時間ほどで高速をおり、
見たことのない街にきた。
「美鈴、あと2、3分でつくから。
毛布にくるまって下に隠れてろ。」
「はーい。」
ここらへんが貴也んち近所なのか。
今がどこなのか私には全くわからないけど。
私は毛布にくるまって
見えない位置に隠れた。
あ、バッグも隠さなきゃか。
私が隠れてすぐ、車が止まった。
「あ、俺。
ついた。」
ん?電話?あぁ、隼也か。
そしてその電話が切れてすぐ
車のドアが開いた。
「明けましておめでとうございます。」
隼也の声だ。
「おう、おめでとう。」
長曽我部さんが答えた。
「おめでとうございます。」
ん?
「おめでとう。」
「残念だったな。美鈴が乗ってなくて。」
「会ったら気まずいだろ。」
隼也に続き、長曽我部さんの声。
「……まぁ。
まだ戻れないのでそうですね。」
……………貴也の声。
はは、久し振りに聞いたよ。
泣きそー。懐かしい。