居場所をください。
「ってかスープ飲まないの?」
「……飲むけど、あとで。」
一人でゆっくり味わいたいから。
「隣いっていい?」
「どーぞ。」
私は隼也の隣へ移動した。
「ウィッグかぶってると別人だな。」
「でしょ?
写メとれないのが難点だけどね。」
「あぁ、その姿は公開できないもんな。」
「隼也はそのまんまいくの?
バレバレじゃん。」
「マスクとメガネあるから大丈夫。」
「この時期はマスクしてても違和感ないし
あったかいから便利だよね。」
「そうだな。
顔もかなり隠せるしな。」
貴也んちを出発して30分
去年と同じ駐車場へ車が停まった。
「隼也、ちゃんと顔隠せよ。」
「はい。」
車を降りる前に長曽我部さんが言った。
隼也がマスクとメガネをしたところで
私たちは車を降りた。