居場所をください。
それから私たちは車に戻った。
「長曽我部さん、お腹すいたー。」
「もう帰るけど。」
「えぇ!うそ!」
「自分で作れよ。
さっきの貴也のスープもあるだろ。」
「そうだけど……」
結局長曽我部さんはどこにも寄ってくれず
隼也を送った後にマンションへ送られた。
「荷物持ってやるし行くぞ。」
「もー、いつもなら連れてってくれるのに。」
「俺はこれから用事があるんだよ。」
「用事?なんの?」
私が聞いてもなんにも答えない長曽我部さん。
そして勝手にエレベーターに乗り込む長曽我部さん。
「シカトですかー。」
「……………美鈴の分。」
「え……お年玉?」
「そ。」
「……………ってことは子供んとこいくんだ!
なるほどねー。」
「勝手に納得してんな。」
「違うの?」
「いや……」
「あってるんじゃん。
はいはい、邪魔しませんよ。」
「また今度な。」
「でも残念。
私より子供の方が大事なんてー。」
「美鈴を優先したから俺んちに泊めて
旅館も行ったんだろが。」
「そうなの?」