居場所をください。



それから私たちは車に戻った。


「長曽我部さん、お腹すいたー。」


「もう帰るけど。」


「えぇ!うそ!」


「自分で作れよ。

さっきの貴也のスープもあるだろ。」


「そうだけど……」


結局長曽我部さんはどこにも寄ってくれず

隼也を送った後にマンションへ送られた。


「荷物持ってやるし行くぞ。」


「もー、いつもなら連れてってくれるのに。」


「俺はこれから用事があるんだよ。」


「用事?なんの?」


私が聞いてもなんにも答えない長曽我部さん。

そして勝手にエレベーターに乗り込む長曽我部さん。


「シカトですかー。」


「……………美鈴の分。」


「え……お年玉?」


「そ。」


「……………ってことは子供んとこいくんだ!

なるほどねー。」


「勝手に納得してんな。」


「違うの?」


「いや……」


「あってるんじゃん。

はいはい、邪魔しませんよ。」


「また今度な。」


「でも残念。

私より子供の方が大事なんてー。」


「美鈴を優先したから俺んちに泊めて

旅館も行ったんだろが。」


「そうなの?」


< 1,829 / 4,523 >

この作品をシェア

pagetop