居場所をください。
そして私はまたこの真っ暗で冷たい部屋に
一人で帰ってきた。
真っ暗で冷たい部屋に明かりをつけるこの瞬間が
私はだいっきらい。
孤独を突きつけられる気がする。
だけど、長曽我部さんが一人で
この部屋から出てくあの瞬間は
もっと嫌いなんだ。
隼也や亜樹には感じない
"置いていかれる"感があるんだ。
そんなこと、ないのにね。
暖房をつけて、テレビをつける。
大して面白くない番組を見ながら
貴也からもらった、まだ温かいスープを
一人で飲む。
……貴也……………
あんな近くにいたんだよね。
触ることもできない
言葉を交わすこともできない
目を合わせることも、見ることも。
近いようで遠い距離を実感したあの瞬間。
でも、このスープが教えてくれる気がする。
近くにいるよって。
離れててもこうやって気持ちを届けてくれる貴也に
私はなにができるのかな。