居場所をください。
「とりあえず私はどこにいるのか知らないから。
連絡もつかないならマンション行けば?
場所知ってるでしょ。」
「遠い。」
「はぁ?遠くないでしょ。
ここ渋谷。港区なんて隣です。
頑張れば歩いてだって……「本気でいってんのか。」
「………それは言い過ぎたけど
でも地下鉄乗ってけばすぐじゃん。
というわけで私はお腹が空いたので帰ります。」
もう歩くのも辛い。
空腹ピーク。
「待てよ。」
歩き出した私をまた掴む石田弘希。
「なに。」
「俺も腹へった。」
「そこまっすぐいけばコンビニあります。」
「金がない。」
「……………は?」
「だから金がねーつってんの。
ここまでは定期あるからいいけど
俺は金がねーから地下鉄も乗れねーんだよ。」
……………なんなの、こいつ。
「だから?」
「金かして。」
……………はぁぁ!?