居場所をください。
石田弘希。
《close》
……………なぜ?
「閉まってんじゃん。」
隼也のやつ……
マスターいるって言ったじゃん!!
「もー、どうしよう。」
「ファミレスは?」
「無理。
変装グッズなにもないし
だいたい制服のあんたが入れる時間
あと少しで終わっちゃうじゃない。」
「じゃあどうすんだよ。」
「仕方ない、帰ろっかな。」
野菜あったよね。
スープなら自分で作れるしね。
私はマンションへ歩き出した。
「おい。俺はどうすんだよ。」
「知らないよ。
あ、お金貸すから長曽我部さんとこ行けば?
地下鉄なら1,000円もあれば足りるでしょ。」
「鍵がねーし。」
「じゃあ鍵も貸すって。」
「なんでお前が持ってんだよ。」
「あ、いや……前にたまたま……
で、返すの忘れたの。」
「ふーん。」
墓穴掘ったよ、絶対。
こいつ、鋭そうだし……