居場所をください。



味噌汁だけの私は早々に食べ終わり、

食器を片付けてソファに座った。


えーと、大谷隼也大谷隼也……


『プルルル……プルルル……プルルル……

もしもし?』


「あ!隼也!

マスターんとこお店しまってたよ!」


『悪い悪い。

なんか午後急用できたっぽいよ。』


「……で、なんでそれを隼也が知ってるの?」


『俺とマスターの仲だからなぁ…』


「……なにそれ。」


『ってか用それだけ?』


「うん、まーね。」


『まじかよ!

そんなことで電話してくんなよー。』


「え、だめなの?」


『だめじゃねーけどさ。

今忙しいし。美鈴と違って。』


「……………もういいです、さようなら。」


ブチッ


なんなの、むかつくやつ。



「ごちそうさん。」


ひとりでイライラしてると

石田弘希が手を合わせてそう言っていた。



< 1,914 / 4,523 >

この作品をシェア

pagetop