居場所をください。
私は会社に設置されている
タクシー呼び出しボタンを押して
待ち合いで待つ……………
~♪~♪~♪
ん?誰だー?
電話が来てスマホを確認すると
久しぶりに夏音からだった。
「もしもしー?」
『あ、ごめんね。
今平気?』
「うん、どうしたの?」
『実はね、瑠樹くんと別れたの。』
「え!?え、なんで!?」
『なんかあんまり好きじゃなくなったの。』
「夏音が?夏音から別れようって言ったの?」
『好きかどうかわかんなくなったから
距離置きたいって言ったの。
そしたら、それなら別れたって一緒だろって。
そう言われてもね、全然引き止める気にならなくて
あーやっぱもう好きじゃないんだなって思ったの。』
「なんでそんな急に…」
『急じゃないよ。
っていうかね、もともと好きだったのかわからないの。
告白されたときは瑠樹くんしかいなかったし
情っていうか……
でも今は普通に友達ができてて、
瑠樹くんがいなくても楽しいの。』
「……それは高橋がかわいそうだよ。」
『私もそう思った。
だから別れたの。』