居場所をください。
俺が鍋を食べ終わり、店を出ることになった。
「今日こそ私が出す!」
「は?いいわ。
俺の方が稼いでるし。」
「でもいつもタクシー代とか出させてるし…。」
「いつもって言うほど回数ないだろ。
いいよ、売れたら奢ってくれれば。」
そういって俺は個室を出た。
美鈴、こういうとこ律儀だからな。
「あの!」
ちっ、またかよ。
「はい。」
俺は営業スマイルで振り向いた。
「お連れ様はその……」
彼女か聞きたいのか?
「友人ですよ。」
つーか客にそんなこと聞くか?普通。
お前ら仕事中だろ。
「美鈴、行こう。」
「え、あ、はい。」
俺はさっさと金を払って店を出た。