居場所をください。
またね。
私は30分ほど一人で海を眺めていたけど
空腹に耐えられず車へ戻った。
「思ったよりは早いな?」
「お腹すきすぎて倒れる。」
「はは、じゃあ行くか。」
20時、ようやく私たちはご飯を食べに行くことにした。
「あのさ」
「ん?
「貴也のこと、引き留めないの?」
「今の貴也見てたら無理。
高い更新料だってかかるしな。
あいつが自分でやる気を出さなきゃ
意味ねーよ。」
「……そっか。
引退しちゃったら
長曽我部さんたちはもう
貴也の様子見に行かなくなるの?」
「そうだな。」
「ひどいね。
今までずっと頑張ってきてくれたのに。」
「芸能界なんてそんなもんだろ。
美鈴がこれからもっと売れれば
佐藤だってもっと忙しくなる。
俺も忙しくなる。
貴也の相手をしていると美鈴に影響する。
貴也だってそんなの望んでねーよ。」
……そうかもしれないけど…。
長曽我部さんも佐藤さんも行かなくなったら
貴也にはマスターと誠くんしかいなくなる。
そんなの…寂しいよ。