居場所をください。
「ごめん、お待たせー!」
それから私は食堂へと戻り、
みんなと一緒にお昼ご飯を食べた。
「なにしてたのー?」
ハルが聞いてきた。
「んー、思い出に鍵をかけてきたの。」
「え、なにそれ。」
「ふふ、内緒。」
私は貴也がいなくても進み続けなきゃならないから。
それが貴也のためだと思ったから
だけど、思い出だけはしまっておきたかったから。
置いてきた訳じゃない。
しまっておくだけ。
サヨナラは言いたくないから。
それに言われたくないから。
いつかくるハッピーエンドを心待にして。