居場所をください。
貴也side
「貴也。」
「……………店開けに行ったんじゃねーの?」
「やめた。
美鈴ちゃんはもう来ないみたいだから。」
「……なんで。」
「もうやめたんだろうな。
思い出にすがり付くのを。」
意味わかんねーんだけど。
「これ。美鈴ちゃんが貴也にってさ。」
そういっておじさんが机の上においたのは
俺が美鈴にあげたブレスレットとネックレスと
俺の指についてるのと一緒の指輪。
「……………別れたいって?」
「またね、だってさ。
あ、違うわ。またいつか、だ。」
「どっちでもいいわ。」
「そのアクセサリーに言ってたんだよ。
またねって。
ってことは、貴也を待ってるってことだろ。
またそれを持って帰ってきてくれるって。
美鈴ちゃんの歌にあったろ。
"あなたがくれたさくら色の光を胸に
私はいつかくるハッピーエンドを
心待ちにしています"って。」
……………どんだけ記憶力いいんだよ。
歌詞覚えすぎだろ。
まぁ…俺も人の事は言えねーかもだけど。