居場所をください。
母さんが死んでから
俺はなんにもやる気になれない。
あんなに好きだった演技も
全くやる気にはなれない。
目標がなくなった。
朝起きて何もせずに
トイレすらギリギリまで行かずに
風呂すら入らずに
部屋にも行かずにリビングで寝る。
「お前な、今はよくても
働かねーと生きていけねーんだぞ?
ここのローンはなくても税金はかかるし
食費も水道光熱費もかかるだろ。
貯蓄だって一生分はねーだろ。
0歳から芸能界で育って
勉強もしてこなかったお前が生きる道は
ひとつしかねーだろ。」
「うるせーよ。
さっさと帰れよ。」
「……とりあえず、美鈴ちゃんからのは渡したからな。
まだ好きならちゃんとしまっとけよ。」
そういっておじさんは自宅へ戻ってった。