居場所をください。



「そんな会いたいなら会えばいいだろ。」


「今の俺の姿なんか見せられないっすよ。」


「ならちゃんとすればいいだろ。

仕事だって、貴也ならまた来る。」


「今はそんな気になれない。」


「………とにかく、スープくらいは飲めよ。

なんにも食わねーから気力出ないんだよ。」


「……………わかりましたよ。」


俺は体を起こしてスープを飲む。

この瞬間だけ。

長曽我部さんは俺が飯食うとこを見ないと帰らないから。


「美鈴のよりうまいだろー?」


「まぁまぁっすね。」


「腹立つやつ。」


「ってか毎日来るんですか?」


「来ねーと死んじゃいそうだからな。」


「仕事しない俺が死んでも

長曽我部さんには関係ないですよね。」


「美鈴が悲しむから。

美鈴のために。」


「……………そうですか。

あいつも俺の事なんかほっとけばいいのに。」


「出たよ、嘘。

言っとくけど美鈴はモテるんだからな?

本当にどっかいってから後悔してもおせーよ。

ま、実際は貴也の事しか恋愛対象にならないのか

ってくらいお前一筋だけどな。」


……そ。よかった。


「口元緩んでる。

ほっとけばいいとか言いながら

喜んでんじゃねーよ。」



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