居場所をください。
それから2曲目のバラードも歌い、
私は一時間でレコーディングを終えた。
「ありがとうございました。」
「すごいよかったよ。
発売が楽しみだ。」
「ありがとうございます。」
この人はいったい誰だろう。
「美鈴、すげーよかった。
まさかこんな早く終わるなんてな。
修正も少なかったし。
ここにいる人たちは技術もあるから
それで短時間になったのもあるけど
それでも本当に短かった。
あとはこっちで曲を作り上げるから
美鈴は出来上がるのを待つだけ。」
と長曽我部さんが言った。
「そっか、ならよかった。
出来上がるのが楽しみ。」
「よく頑張ったな。」
そう言ったのは水木先生。
「ありがとうございます。」
「あの練習に耐えた五十嵐は十分すごい。
これからもびしばし鍛えるからな。」
「……………お手柔らかに。」
「じゃあお先に失礼します。」
長曽我部さんがそういい、
私も頭を下げてスタジオを出た。