居場所をください。
バレンタイン当日ー
結局二人は私の部屋に泊まり、
私の部屋から学校へむかった。
まったく、準備が良いよね…。
そして私は朝からまたライブの練習。
佐藤さんが来るのをマンションロビーで待っている。
「ごめんね、お待たせ。」
佐藤さんは今日来るのが少し遅かった。
「咲さんと会ってたでしょ。」
佐藤さんが来るのが遅いときは
絶対咲さんが原因なのを最近気づいた。
「そこは気にしないでよ。」
「はは、いいじゃん。
バレンタインだもんね。」
「美鈴ちゃんも俺にくれるの?
その荷物。」
クッキーの入った紙袋を見て言った。
「はは、そうだね。
じゃああげる。」
「あれ、本当にくれるんだ?」
「なんかいっぱいできちゃって。
本当は作る予定すらなかったのにね。」
「ありがと。
あとで食べるね。」