居場所をください。
「到着~。」
「へー、ここかぁ。
一高より狭いね。」
「美鈴、第一高校?」
「え、知らなかったの?
まぁ元だけど。」
「へー、頭いいんだな。」
「まぁねー。
ってか部活午後からでしょ?
どうすんの?」
「陸部の練習に割り込んで
俺も一緒に走る予定。」
「へー、いいね。
私も走らないと。」
「じゃーな。」
弘希はそういうとドアを開けた。
「あれ、弘希じゃーん。」
と、ドアが開いた瞬間
友達らしき人が弘希に声をかけたから
長曽我部さんは瞬時に私にフードを被せた。
そのスピードが早すぎて
思わず一人で笑う気持ち悪さ。
「いいなー、また車かよ。」
「まぁな。」
…よく送りに来るのか。
「弘希、弁当。」
「あぁ、さんきゅ。」
「……………私にもある?」
思わず聞いてしまった。
「あるよ。」
よかった。やったね。