居場所をください。
「あれ、今日は女の子付きじゃん。」
「あー…妹みたいもん。」
「私が姉です。」
弘希が私を妹とか言うから
すかさず訂正した。
「へー、さすが弘希の身内だけあって
美人だな。」
「美人だって!
あんまり言われないからうれしー。」
長曽我部さんに向かって言うと
長曽我部さんは完全に引いている。
後ろを振り向けば
弘希も呆れている。
「……………じゃあ俺いくから。」
呆れたまま弘希はドアを閉めた。
「頑張ってねー。」
窓を開けてそれだけいって
手を降って車が出発。
「眼鏡かけてるだけなのに
全然ばれなかったね。」
「金髪も見せなかったしな。」
「あ、だからフードを被せたのか。」
メンズのものだからか
フードも大きいや。