居場所をください。
初日まであと少しです。
それから毎日みんなとライブの練習をし、
3月3日にはアルバムが発売され
3月15日には映画のオーディション
一次通過報告を長曽我部さんが
大して嬉しそうでもない感じで報告してきて
3月中に二次オーディションを済ませて
ライブの流れがほぼ出来上がった4月。
私は映画の監督さんに呼ばれて
佐藤さんと映画製作会社へと来た。
「話ってなんだろうね。」
「この前演技実技だったんだよね?
それ見て主役決まった、とかならラッキーだね。」
「でも私演技とあんまできない気がするんだけど。」
「そのわりにカメラの前だと
いつも完璧に演じてるよ?」
「もうあれは癖みたいになってきた。」
反射的にね。
もうあれも自分の中の一部になってる。
コンコン…
「どうぞ。」
指定された部屋に到着し、
私たちは中へはいる。
「失礼します。」
さーて、話とはなんでしょう。
「急に呼び出してすまないね。」
「いえ、大丈夫です。」
それより本題を。
「単刀直入に言うとね」
うん、それでお願いしますよ。