居場所をください。
「美波を忘れられない湊と
美波のために生きる由茉。
美波はこの物語のキーなんだ。」
「はぁ…」
「お願いできないかな。」
「わかりました。」
そう答えたのは佐藤さんだった。
「いいの?」
私が佐藤さんに聞くと
「そんな大事な役なら
長曽我部さんも喜んでくれるよ。」
と微笑んで言った。
「そっか。」
ま、それならいっか。
「ありがとうございます!
で、もう1つお願いがあって
美波は黒髪ロングなんだ。
染めろとは言わないけど、ウィッグとか大丈夫?」
と監督さんが私に聞くと
「大丈夫ですよ。」
と佐藤さんが答える。
私の許可よりマネージャーの許可、か。
「よかった。
じゃあスケジュールはこちらで。
美波は早めに死んじゃうけど
回想シーンや、夢に出てくるシーンとか
ちょいちょいあるから。」
うん、もうなんでもいいよ。