居場所をください。
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「やっぱ美鈴ちゃんはこの世界に向いてるねー。
着替えも早い、余裕だわ。」
「はは、よかったー。」
「長曽我部さんが待ってるから
練習行っておいで?
ここは片付けておくから。」
「うん!ありがと。」
脱いだ服でぐちゃぐちゃな部屋は
佐々木さんにお任せするとして
私はステージへと向かった。
にしても暗い。
電気とかあればいいのに。
「あ、美鈴!」
私が歩いていると
急に大きな声を出した長曽我部さん。
「ど、どーしたの。」
「一人で歩くなって言ったろ!」
「だって誰もいなかったんだもん。」
「なら待ってろよ。
暗いんだから転んだらどうすんだよ。
ったく。
大声出せばここまで聞こえるから
もう一人でそこを歩くなよ。」
「はーい。」
私が素直に返事をすると、
長曽我部さんに腰を支えられ、
私はステージへ向かった。
かと思えば長曽我部さんはマイクに向かい
「美鈴が来たから一旦中断。」
そういうと、会場全体に長曽我部さんの声が響いた。
「へー、そのマイクは会場と繋がってるのか。」
「あぁ、そうだよ。
アナウンスはここでするんだよ。」
へぇー。