居場所をください。
会場へ付くと、駐車場にはすでに
来てくれたファンの方々の車が。
「物販が12時からだから
すでに並んでるな。」
まだ9時なのに……………
そんな早くから並ばなくても
たくさん用意されてますよ。
ネットでも買えるし明日だって……
「熱烈ファンはなんでも早く手に入れたがるしな。」
「すでに泣きそう。」
「はは、美鈴らしくねー。」
なんだ、それは。
笑うところか。
そんなみんなを横目に
私も会場入り。
「うわ、入待ち。」
「入待ち?わざわざ?
何時に来るかもわからないのに?」
「そ。
社用車にしてくりゃよかったー。
さすがに甘く見てたな。」
あぁ、今日は朝から一緒だもんね。
マイカーだったね。
「ってことで予定変更。」
「え!?」
長曽我部さんは会場を通りすぎ、
路地に車を止めて
佐藤さんを呼びつけた。
「悪いな。」
「いえ、大丈夫ですよ。
美鈴ちゃんはあっちの車のって。」
私は言われるがまま
恐らく佐藤さんが乗ってきた社用車に乗り換え。
「じゃあ行くよ。
こっちのがスモークも強いから
外からは絶対見えないし、安心してね。」
私は佐藤さんと会場入り。
「長曽我部さんは?」
「美鈴ちゃんが入ると入待ちの子たちがいなくなるから
そのあと入ってくると思うよ。」
「なるほどね。」
でも、私の姿が見えないのに
みんなは私が入ったとわかるのか?