居場所をください。
「美鈴ちゃんってさ、
長曽我部さんに拾われたんでしょ?」
「え、なんで知ってるの?」
「噂。
本当なのかなーって。」
「本当だよー。
私は長曽我部さんに拾われた。
昨日私が長曽我部さんちに泊まるとか
そんな話してたでしょ?
私は施設から出たあと、
少しの間長曽我部さんちで暮らしてたの。
私の保護者は長曽我部さんだった。
だから本当の意味で私は拾われたの。
歌手になったのもそうだけどさ。」
「そうなんだ。
でも一緒に暮らしててさ、
そういう関係になったりしないの?」
「それは全くないよ。
私と長曽我部さんは本当にそんな関係じゃない。」
「ふーん、そっか。」
「なに?怪しい?」
「怪しいよ!
なんか親密って言うか…」
「はは、そっか。
まぁ私が長曽我部さんにベッタリだしね。」
「長曽我部さんだって美鈴ちゃんにべったりだよ!
俺が美鈴ちゃんに近づこうとするとなんか怖いし!」
「え、そうなの?」
「だから本当は二人ができてて
俺嫉妬されてるのかと思って。」
「はは、そっかー。
でもそれはないね。」
「じゃああの殺気はいったいなんなんだろー。」
殺気って。
そんな怖いの?