居場所をください。
ハルside
あーあ、美鈴ちゃん帰っちゃった。
一緒に帰ろうかと思って待ってたのに。
大谷隼也……
めっちゃ美鈴ちゃんと仲良しじゃん。
しかもイケメンだし。
優しそうだったし。
美鈴ちゃんは彼氏もいるし
美鈴ちゃんとどうかなりたいとかじゃないけど
面白くない。
「……………俺ももう帰るわー。」
「おう、お疲れ!」
たっつんはいつも元気だなぁ。
俺がいうのもなんだけど。
「お疲れ。」
はぁー、タクシーきてんのかなー。
まぁいいや。来てなかったら電車で。
「あ、ハル!」
「ん?なに?しおりん。」
「一緒に帰らない?
家近いし……タクシー代割り勘出来るから。」
「あー、いいね。
じゃあ帰ろ。」
こっからタクシーで帰ると
タクシー券1枚じゃ足りなかったし
助かるわ。
「あ、ちょうどタクシー2台来てるよー。」
出口にいくと
佐藤さんが完全にしきっていた。
「俺ら一緒にタクシーのるから
一台でいいです。」
「へー、一緒に帰るんだ?」
「まぁ。」
「ふーん。」
……………なんか言いたそうな顔。
なんだよ。
「はい、しおりん乗って。」
「あ、うん。」
「じゃあ佐藤さん、お疲れさまでした。」