居場所をください。
━━━━━━━━━━━━・・・・
「さてと、飯も食ったし、
俺帰るけど貴也はどうすんの?」
「……じゃあ俺も帰るかな。」
「マスター、ごちそうさん。」
「またなー。」
俺らは一緒に店を出た。
「で、貴也はどうすんの?
タクシー呼ぶ?」
「俺は電車。
金ねーし。」
「だから働けよ。」
「そのうちな。」
「とりあえず駅か。
俺は駅でタクシー乗ればいいし。
ってか貴也よく来てんの?
ここらへん。」
「いや、今日がかなり久々。
母さん死んでからだと初だな。」
「へー、なら久々に
美鈴のマンションでも見てけば?
あそこだし。」
「なんでだよ。」
「いや、会えるかもしれねーし?」
「んなわけあるかよ。」
「美鈴、また髪の毛長くなってるよ。
なんつーかどんどん大人っぽくなって
可愛くなってってるよー。」
俺がそう言っても
貴也は黙ったまま。
貴也らしいけど。
「ってか美鈴のダンサーのハルってやついたじゃん。
ライブでMCやってる、あのイケメン。茶髪の。
あれ絶対美鈴に惚れてるな~。」
「あっそ。」
……………素直じゃねーやつ。