居場所をください。



「隼也?どうしたの?」


俺が会議室の鍵を閉めると

美鈴は心配そうに聞いてきた。


「美鈴さ、貴也のこと好きなんじゃねーの?」


「なに、急に。」


「どうなんだよ。」


「……好きだけど…なに?」


「じゃあなんであのダンサーに

そばにいてほしいなんて言ったんだよ。」


「……………はい?

え、待って。誰?」


「は?だからハルってやつ。」


「……………あぁ、あれ?

え、ってか見てたの!?」


「見てた。

なんで抱き締められてたんだよ。」


「それ、誰かに言った?」


「俺が聞いてんだけど。」


「いいから!

誰かに言ったの!?」


「…言ってねーよ。」


貴也は見てたけど。


「そ、よかった…」


「で、なんで抱き締められてたんだよ。」


「えーと…

なんでと言われましても…」


「そばにいてほしいって言ったのはほんとかよ。」


「ほんとだけど「美鈴は貴也のことが好きなんじゃねーの?」


「ちょ、待って。

別にハルとはそんな関係じゃ…」


「じゃあなんで拒否しなかったんだよ。」



あー、イライラする。

なんではっきり否定しねーんだよ。



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