居場所をください。
勝負の行方は
無事隼也の誤解もとけ、
あれからハルとは何事もなかったように
今まで通り接している。
ライブ前に楽屋に来るのも必ずハル。
私の大事な仲間の一人だ。
そして時は流れ、ついにきた5月1日。
あの意味のない勝負の決着は
もう少しでつくのだ。
「美鈴ちゃん、本当にいいの?」
「もー、佐藤さんまで何言ってんの。
それに今さらどうこう言ったって
もう遅いんだから。
私は私にできることをするよ。」
「……………そっか。」
夏音率いる夏色7は
事務所が力を入れて宣伝している。
今日からCMも流れ、朝からテレビに出て
いろんなところにポスターが貼られているらしい。
「さーて、今日も練習頑張りますか!」
私はというとメディアには一切出ず、
次の公演に備えるのだ。
「あ、そうだ。
1枚はキープしてくれてるよね?」
「うん、あるよ。」
よし、あとでママに届けにいかなきゃ。