居場所をください。



「おーい、お前ら。

喋ってねーでさっさと踊れよー?」


ずっと体操ばっかりしてる私たちに

長曽我部さんが言った。


「美鈴はまだ体重計乗ってねーだろ。」


「うわ、バレてた。」


「さっさと来い。」


長曽我部さんと出会ってもうすぐ2年。

あれから毎日続いている体重チェックは健在。


「40.5か…ちょっとすくねーな。

ツアー始まってから減りっぱなしだ。」


「あんまり食生活は変わってないけどねー?」


「でも練習はハードだろ。

美鈴は身長162あるから

できれば43くらいにしときたいし

あんまり落としすぎんなよ。」


「難しいねぇ。

少し前まで43だったのに。」


「いくらなんでもガリガリ。

モデルじゃねーんだから。

このまま減り続けるのも困るし

食べるところはちゃんと食えよ。

ライブで持たねーよ。」


「はーい。

まぁ静岡でも福岡でもおいしいもの食べるし!」


「毎週地方でなんかしら食ってんのに

この体重の減りだろ。」


「あぁ、そっか。

じゃあ今日焼き肉でもいこっかな~!」



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