居場所をください。



そんなくだらない話を挟みつつ、

私たちは肉を食べ進めた。


「ってかさ、夏音って

中学時代の友達っていないのかな。

一高に。

あの子入学式のときから一人だったじゃん。

私ですら入学式のときは話す人いたのに。」


「さぁなー。

俺は聞いたことねーけど。」


「高橋は?いる?」


「俺ちょっと遠いじゃん?

だから俺はいねーな。」


「ふーん、そっかぁ。」


どこに住んでるか知らないけど。

渋谷まで出てきてるのか。


「高橋は朔也といつ仲良くなったの?

クラスも中学も違うじゃん。」


「入学式より前。

制服買いにいったときたまたま会って

俺そんときから髪染めてたし

朔也も似たようなもんだったから。」


「へー、そうなんだ。

そのわりに私と初対面の朔也は

髪の毛黒かったけど。」


「あの時はさすがにビビったな。

こいつどうしたって思ってたわ。」


もうあの頃の記憶は遠いや。

私も普通の高校生だったんだもんなぁ…。



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