居場所をください。
「まぁ無理だろうな。
お前らのデビュー曲の売上枚数はたった3万と少し。
こっちがあんなに金をかけて宣伝してやったのに
たった3万枚。売れねーにもほどがある。
それに比べて美鈴のデビュー曲の
1週間での売上枚数は41万枚。
今回の美鈴の新曲、オリコン調べで
1日の売上枚数は3万枚なんて余裕で越えてる。
お前らが必死にテレビに出て歌って宣伝して
売り上げた枚数を、美鈴はたった1日で売った。
そんな美鈴をお前らは越えることができんのかよ。」
そんな長曽我部さんの強い言葉に
誰もなにも言わなかった。
とても発言できる空気ではなかった。
「確かに俺も社長も
美鈴を贔屓してるのかもしれない。
だけど、ここにいる間は
俺はこいつを妹だとは思わない。
美鈴は大事な大事なうちの商品だ。
売れるやつを大事にして
売れないやつを切り落とすのは
社会人として当然だろ。
うちの会社はそうやってここまで
業績を伸ばしてでかくしてきた。
これが、ここのやり方だ。
平等を望むなら、後藤プロにでも行けよ。
あそこは体さえ差し出せば
仕事をくれる事務所だろ。」
それはさすがにどうかと思うよ、お兄さん。