居場所をください。
そして私が倉庫へ戻ると
みんなはまだ練習をしていた。
「ただいまー。」
「あ、美鈴ちゃん!」
最初に気づいたのはハル。
さっきまですごい真剣な顔をしていたのに
私に気づくなり、いつものかっこいい笑顔を見せる。
本当、いつみてもかっこよくて見とれる。
こんなにかっこよくて人懐っこいのに
どうして私は別の人が好きなんだろう。
全然タイプではない貴也のことが好きなんだろう。
理想と現実が違いすぎて
自分でもビックリするくらい。
「さっきテレビ見てたよー!
さっきまでテレビの中にいたのに
今ここにいてなんか変な感じ。」
「はは、なにそれ。
ってか私もまた踊るし
ユリ姉、柔軟付き合ってよ。」
「仕方ないなぁ。
ハルはあっちで踊ってなさい。」
ユリ姉がそういうと
ハルはまたステージへと戻る。
まるで飼い主に忠実な犬だ。
「美鈴ちゃん今日は頑張るねぇ。」
「そんなことないよ。
さっきまで力抜いてたし。
Tell Youはハルと二人だから
頑張って踊らないと!」
静岡公演まではうまく息が合わなくて
結局私一人で踊らず歌うだけだった。
福岡からはちゃんと踊りたい。
といってもメインに踊るのはハルだけだけど。
「よし、頑張りますか!」