居場所をください。
「父さんはなんで美鈴の誕生日
祝わねーの?」
「……………弘希には言えねーな。
情けなくて。」
「はぁ?」
「ま、内緒だよ。」
なんだそれ。
「俺も兄弟が欲しかったわ。」
「子作りはしてたんだけどなー。」
「子供に下ネタ言うなよ。」
「弘希がそういうこと言うから。」
「そういうことじゃなくて
父さんには美鈴みたいな妹がいていいなって意味。」
……………って、俺もなにいってんだか。
「美鈴は俺の妹だからな。」
「……………その独占欲を
子供に丸出しにするなよ。」
「弘希も美鈴と同じくらい大事だよ。」
「なんだよ、急に。」
「ただ、美鈴を独占できんのも
あと少しみたいだし
今は美鈴ばっかだけど。」
「……………どういう意味?」
「そのままの意味。
さてと、
おやすみな、美鈴。」
父さんはすげー愛しそうにそういって
部屋を出たから
俺もすぐ部屋を出た。