居場所をください。



それからは無言のまま

車は長曽我部さんのマンションへ付き、

無言のまま私たちはエレベーターへ乗った。


普段はなんにも気にならないのに

気持ち悪さ全開の私にとって

このエレベーターの動きもきつい。


そして自分に染み込んだこの匂いに

もう倒れそうだ。


暑くて、腹ペコで、車酔いして、

自分から漂うこの甘ったるい匂い。


そろそろ限界来るよ。




エレベーターがついて、

私が先に降りて

私が部屋の鍵を開ける。


この人荷物も多いし、大変だろうし。

なんて、イライラしつつも

やっぱりそういうことは気になってしまう。


……………とりあえずシャワーを浴びよう。

臭い。臭い。臭い。


服を取りに行こう……。


「リビングこねーの?」


私が部屋のドアのノブに手をかけると

ここでやっと長曽我部さんが話しかけてきた。


「臭いからお風呂はいる。」


私はそれだけいってとりあえず部屋に入った。



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