居場所をください。
長曽我部side
━━━━━━━━━━━━━━・・・・
「で、弘希が帰ってこねーってどういうこと?
俺は駅まで送ってったけど。」
「わかんない……バイトもないし
こんな時間まで帰ってこないなんて初めてで……」
「電話は?」
「繋がらないの。」
「は?まじで?
……………俺もかけてみるわ。」
俺が弘希のスマホに電話を掛けると
繋がる前に切れた。
「え、着拒?」
「え?」
「呼び出し音すらならなかった。」
「え?なんで?」
「さぁ…」
なんでた?
前まで普通に繋がってたのに……
「……………とにかく送るわ。
俺ちょっと今急いでて…」
「仕事?」
「え、あぁ…まぁ…」
「相変わらずだね。」
「……………今は特別忙しいんだよ。」
「ふふ、そっか。
弘希と旅行なんて、前じゃ無理だったもんね。」
「…そうだな。」
美鈴が俺に休みをくれたから。
じゃなきゃ弘希と海外旅行行くなんて
絶対にできなかった。
美鈴のおかげだな。