居場所をください。



そしてやっと4階について、

美鈴の部屋に向かっていると

美鈴の部屋の前に一人の男が立ってるのに気づいた。


「……………貴也?」


「…長曽我部さん…」


「なにしてんだよ、こんなとこで。」


「……いや、来てみたんですけど

ダサいことにびびっちゃって

もう一時間もここにいるんです。」


……一時間って…

とりあえず入らなくてよかった。

今、ここには美鈴だけじゃなくて

弘希もいるしな…。


「……とりあえず美鈴はもう寝てるだろうし

ここにいるのも良くねーだろ。

送る。」


「長曽我部さんは用があったんじゃないんですか?」


「あー、俺はこれ置きに来ただけだから。」


本当は違うけど。

弘希が美鈴に変なことしねーか

見張りに来た、なんて口が避けても言えねー。


「ちょい待ってろ。」


仕方なく、俺は付箋にメモを書き、

書類ファイルに貼り付けて

玄関入ってすぐのところへ置いて

また鍵を閉めた。


「行こう。

つっても車は会社だけどな。

あ、しかも車くせーけど。」


「なんすか、それ。」


「香水こぼしてな。

美鈴に臭いってキレられたから。」


「はぁ…」



< 2,422 / 4,523 >

この作品をシェア

pagetop