居場所をください。
「で、進んでるか?」
「はい、まぁ。
佐藤さんが毎日来てくれるんで。」
「そ。ならよかったわ。」
「ところで長曽我部さんは
なんでこんな時間に?」
「あー、まぁいろいろあってなー。
また時間があるときにでも話すわ。」
「長曽我部さんにもいろいろあるんすね。」
「なに。
俺のプライベートはなんにもねーと思ってたわけ?」
「仕事やり過ぎてプライベートは
疎かになっているのかと。」
「そうでもねーし。
今日は美鈴とケンカもしたし。
っていうかキレられただけだけど。」
「長曽我部さんは美鈴相手になると
弱すぎなんですよ。」
「うるせ。」
そんなことを話しつつ、
やっと車までたどり着いた。
「……ほんとにくせーですね。」
「くせーですねってどんな日本語だよ。」
「まじで強烈。
そりゃキレられますって。
窓全開で。」
……………美鈴と同じこといってんなよな。
「ってか俺、長曽我部さんにお願いがあるんです。」
「お願い?」
「佐藤さんには断られたんで……
実は俺………」