居場所をください。
「なんかね、すーっごい寝たのに
まだ眠いんだよね。」
「何時間寝たわけ?」
「16時間以上寝た。」
「……それはただ単に寝過ぎなだけじゃね?
16時間て……ある意味尊敬するわ。」
いや、絶対バカにしてるね。
「まぁでもそんだけ寝られるなら
まだよかったわ。
美鈴、手抜くことしねーから
いつかぶっ倒れるんじゃねーかって
ちょっと心配だったし。
休むときは休めよ。」
「うん。」
「飯もちゃんと食え。
ツアー始まる前と5キロも違うんだ。
そりゃ衣装が緩くなるわけだよ。」
「ちょっと拒食症みたいになってるよね。
体型が。」
「美鈴は筋肉があるからまだいいけど
いつか肌とか髪の毛に影響が来る。
タンパク質はちゃんと食えよ。」
「うん。」
今日の長曽我部さんは優しくて
たまに頭を撫でてくれる手が心地よくて
なんだかまた眠くなってきた。
「帰るか?」
「うん。
眠くなっちゃった。」
「まだ寝る気かよ…」