居場所をください。
「でもさぁ、何してるの?」
「んー、もう少しで美鈴ちゃんが
喜んでくれるような仕事。」
「私が喜ぶ?」
「そ。
だからその日まで内緒だけどね。」
「えー!気になる!」
「まぁそのうちわかるし、待ってて。」
「……うん。」
「あ、そうだ。
美鈴、映画の原作読んだか?」
「あー、そうだった。」
主題歌のために原作読めって言われてたんだ。
「まぁすぐ読めとは言わねーけど
10月13日発売だから
8月中には読み終えて歌詞出せよ?
ツアーが終わっても映画に、夏フェスあるし。」
「だってあれ長いんだもん!」
「美鈴って本読まねーの?」
「まぁ読まなくはないけど
純文学が好き。
現代の大衆文学とかはあんまりっていうか
面白味に欠けるって言うか。
まぁ作品によるんだろうけどさ。」
「純文学かよ。
見た目アホっぽいお前が純文学。」
「こうしたのは長曽我部さんでしょうが。」
「ま、仕事なんだからちゃんと読めよ。」
「はいはい。」