居場所をください。
「で、美鈴ちゃんはどっちが好きなの?」
「……………はい?」
「だから隼也と貴也。
どっちが好きなの?」
「二人とも好きだけど。」
「いや、恋愛として。」
「え、いやいや。
意識したことないよ。」
「へー、そうなんだ。
でもまだ若いんだから
恋愛しとかないと歳とってから後悔するよー。」
「って言われてもねぇ…。」
「ま、美鈴ちゃん次第だけどね。」
……………恋愛かぁ。
「はい、サービス。」
そういって私に紅茶を差し出した。
「いいの?」
「いいよ。仕事頑張れよ。」
「ありがと。」
私は紅茶を飲みながら
しばらくマスターとおしゃべりをして
18時過ぎにお店を出た。
……………もう暗いなぁ。冬だね。寒いし。
タクシー拾うかぁ…。
「あ、美鈴。」
「え?」
久しぶりに聞く声に
私は思わず振り返った。