居場所をください。
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「それじゃ、また来るね。」
「二人とも今日はありがとね。」
「私なんかたまにしか来ないから
みんなを甘やかしただけだけどね。」
「はは、そんなもんでしょ。
私もそうだしね。」
「優輝、すごく喜んでたし
テレビで美鈴を見るの好きだから
また来てあげてね。」
「うん、また近いうちに来るね。」
「じゃ、おやすみ。」
「またねー。」
子供たちが寝静まった頃
私と美優ちゃんは一緒に施設を出た。
この広い庭も、よく美優ちゃんと遊んだな。
広い家に、広いリビング、広いお風呂、広い庭。
「美鈴は免許とらないの?」
「ほしいんだけど時間がなくてさー。
今すっごい忙しいから秋くらいに行こうかなって。」
「あ、今ツアー回ってるもんね?」
「ま、次が東京でラストだけどね。」
そんな話をしながら美優ちゃんの車に乗る。
これがまた変な感じ。
大人になったと実感する。
美優ちゃんが運転するんだもん。