居場所をください。
「そういえば美鈴ちゃん」
「んー?」
後ろから私の背中をグイグイ押してるユリ姉。
この人は遠慮なしに押してくるから私も必死。
「瞬の家、完成したみたいだよ?」
「え、そうなの?
ちょい瞬~!」
「なんだよ、うるせーな。」
うるせーなって。
うるせーなって言ったよ、この人。
私に向かって。
……まぁいいや。
「家、完成したって本当ー?」
「あぁ、ってかもうとっくに引き渡されて
もう住んでるし。
で、やっと庭とか駐車場とかも完成したって感じ。」
「へぇー……
……………ねぇ、ハル。
行ってみたくないー?」
「行きたい!!」
「いや、無理。
家族いるし。」
「私に会いたいって言うかも。」
「俺の嫁は別にファンでもなんでもないし。」
「あ、今の傷ついたよ。」
「知らねーよ。」