居場所をください。
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「なんとか間に合ったな。」
「だね~。」
少し離れた駐車場に車を止め、
本鈴前になんとか校舎に入った。
「隼也来てる、」
「え、ほんと?早いね。」
廊下から教室を覗くと
隼也がクラスの女の子と話してる。
めずらしい。
「こっそり入って、美鈴
俺の前の席に座ってれば?
で、観察。」
「バレないように?」
「そ。
前向いてるし見られないだろ。」
「そうだね。
じゃあ静かに入ろ。」
私たちは手を繋いだまま
こっそりと窓際の貴也の席に向かった。
「………ってか私ここに座って平気?」
「別にいいんじゃね?
来たら美鈴の席座れって言えばいいし。」
と、なんの抵抗もなく貴也がいうから
私も貴也の前の席に座った。