居場所をください。
それからプリントが回ってきて
私は机に向かってプリントをやる。
………が、後ろの彼氏は暇らしく
いちいち私の背中にいたずらをする。
「もー、少しはやりなよ。」
「ぜんっぜんわかんねーし。」
「日本史なんて簡単じゃん。」
「暗記じゃん。」
「暗記じゃないよ。
これまでの日本の歴史なんだから
全部に物語があるの。
物語を知って、流れを理解して
あとは誰が何をしたのか覚えるだけじゃん。
漫画とか読んでもわかるけどさ。
源氏物語とか。」
「まぁ今更勉強しようとも思わないけど。」
………そんな気するけどさ。
「あいつも寝てるし。」
と貴也の視線を追うと
机に突っ伏してる隼也の姿。
「まったく、何しに来てるんだか。」
なんて言ってると
貴也が隼也に向かって小さな消ゴムを
思いっきり投げて、それが見事に
頭に命中した。
「いって!」
「はは、起きた。」
「あれ、二人ともいつ来たんだよ。」
「最初からいるけど。」
隼也は私たちを見つけると
すぐにこちらへと来た。