居場所をください。
「どーせお前、他のカメラなんて
買う金ねーだろ。
スマホを処理すればそんなもんもうないだろ。
美鈴はこれで帰れるな。」
貴也が言った。
「………写真なんかなくても
噂はいくらでも流せるけどな。」
和也が言った。
「流せるもんなら流してみろよ。
その代わり、身元突き止めてきっちり訴えさせてもらうからな。」
「長曽我部さんまで…。」
「お前なに一人で抱えこんでんだよ。
相談しろよ。俺を誰だと思ってんだよ。」
なんでだろう、長曽我部さんの顔をみたら安心して
私は泣いてしまった。
「ただの高校生が敵に回せるほど
美鈴も、俺らの会社も弱くねーから。
やるからにはこっちも徹底的に戦わせてもらう。
覚悟しとけよ。」
長曽我部さんがそういうと
和也は黙った。
「とりあえず帰ろう。
隼也と貴也がいると目立つ。
そこの二人もとりあえず来い。
俺の車に乗れるし。」
長曽我部さんは私の肩を抱き
歩き出した。