居場所をください。
夏休み前の平日。
パーク内は空いていて
前にたっつんたちと来たときとは
全然違っていた。
前回は90分待ちだったこのアトラクションも
今日は30分予想。だいぶ違う。
だからすぐさま並んだんだ。
「美鈴明日何時から?」
「明日は10時打ち合わせで
15時頃には終わるだろうって。」
「じゃあ美鈴のが先か。
俺13時からだから。」
「あ、そうなんだ。
遅くていいなー。」
「そんな寝ないし13時とかだと
逆に暇すぎて困るけどな。
俺もトレーニングルームでも行こうかな。」
「役作り?」
「そ。」
どんな役なんだろ。
まぁ赤髪ってことは不良役なんだろうな。
「……あ!そうだった!」
「なんだよ、急にでかい声出すなよ。」
「ほら、私映画やるって言ったでしょ?
その主題歌も書かなきゃだから
原作読んどけって言われてたんだった。
うわー、ヤバイ。
明日絶対長曽我部さんに言われるよー。」
「今日帰ってから読めばいいじゃん。」
「えーー、
だってここ閉園までいたいもん。」
「なら明日朝早く起きるとか。
でもその歌詞の期限はいつなわけ?」
「今月中。」
「ならとりあえず途中まで読んどいて
あと少し、とか言えばよくね?
そんな急ぐほどでもないし。
美鈴いっつも1日で一曲仕上げるじゃん。」
「それは歌詞が舞い降りてきてからの話だし。
舞い降りて来るまでが少し長いからねー。」
といっても発売は10月。
恐らく私が歌詞を出すのが遅いから
長曽我部さんが余裕もって今月中って
言ったんだろうけど。