居場所をください。



「……ってかこんな話してたら

サングラスしててもバレバレじゃね?」


「確かに。」


………でもとりあえず周りは気づいてない、はず。


「それより引っ越し楽しみだね。」


「昨日までどうでもいいような感じだったのにな。」


「だってあの部屋見ちゃうとね~。

あのキッチンと玄関と、絶景だよ。

夜は綺麗に夜景が見えそう。」


「そうだな。」


「ダイニングテーブルも新しくしたいよね。

今の小さいでしょ。完全一人用だし。

なんだかんだお金かかるよね~。』


「稼いでるやつがケチ臭いこと言ってんなよ。

いったい貯金はいくらあんだよ。」


「貴也に言われたくないし。」


「俺はこの一年でかなり使ったっつーの。

まぁ家と土地売ったからそれなりに入ったけど。

………あ、そうだ。

美鈴に渡すもんあったの忘れてた。」


「渡すもの?」


「まだ美鈴んちに持ってった荷物のなかに

入ったままだから帰ったら渡すわ。」


「うん、楽しみ。」


なんだろー。




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