居場所をください。



「そういうことか。納得。

歌のレベルが上がったのも

スタイルがよくなったのも

その髪の毛も、全部デビューのためってことか。」


「そういうことです。」


「俺もひとついい?」


今度は隼也が言った。


「君、誰?」


隼也は朔也を見ながら言った。


「俺?美鈴の友達。」


「どうみてもヤンキーなんだけど。」


「それは美鈴が強いやつが好きっていったから。」


「ちょ、その話はもういいよ。」


「で、そろそろ説明してくんない?」


長曽我部さんがみんなにお茶を出してから

私に言った。


「……………宣材写真の撮影が終わった後

タクシー拾おうとした時和也に捕まった。


その時スマホで写真を見せられたの。


高橋と隼也には言ったけど

私、施設にいた頃和也の相手をしてたから。

週4くらいでね。


その頃の写真。


また相手しないと

デビューしてからその写真流すって言われた。


結局、今の生活を続けるなら

和也の言いなりになるしかないって思ったの。


もう捨てられたくなかったから。

変な写真が出回って、事務所に捨てられたくなかった。

長曽我部さんにいらないって言われたくなかった。


もう独りになるのは嫌だった。

だから和也の言うとおりにした。」


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