居場所をください。
だがしかし今日は空いてるパーク内。
レストランもあっさりと座れた。
「私もこんな国を作りたいなー。」
「は?」
「なに、そんなあきれた声を出して。」
「いや、意味がわからなくて。」
「私のライブってさ、基本的に
"明日からも頑張ろう"って思えるくらい
楽しんでもらえることが目標だから。
来てくれた人みんなが来たときよりも
少しでも顔が上がってるように、
笑って帰れるように、がテーマ。
ここはさ、大抵のお客さんが
明日から頑張れる、って思えるみたいだし
そういうのすごいと思うんだよね。
ここで働いてる人みんな笑顔だし。」
「ふーん。」
ふーんって。
それだけですか。
「でもさ、夢として流されんのは
嫌じゃねーの?」
「流される?」
「"夢の国"っていうのが
どういう解釈なのかわかんねーけど
夢の国とされるより、
こんな現実でも努力りゃ
どんな現実でも変わることができるって
そう思われる方がいいんじゃね?
むしろ美鈴の魅力ってそういうところな気がする。
施設育ちでずっと辛かったのに
努力してここまで来たわけだし
出来ないことなんかないっていう現実を
多くの人に突きつけてるんじゃねーの。
夢を見せること、夢見ることじゃなくて
美鈴がこんなに変われたんだから
お前らももっと頑張れよって
現実突きつける方が美鈴らしい。
それが美鈴の最大の魅力だろ。
いつも全力だからファンもついてくるわけだし
負けてられねーって思われるくらいの方が
美鈴らしくていいんじゃね?」
「………なるほど。」
「現実逃避もいいけどな。」
現実逃避、か。